栗の実、肌に落ちる

食欲の秋。

秋を連想させる食べ物と言えば、サンマ、マツタケ、りんご、さつまいも、銀杏…

そして栗だ。

栗の料理といえば、やっぱり栗ごはんとか、限界まで細い糸のモンブランとか、お正月に食べる栗きんとん。
たまに、茶わん蒸しの底のほうからひょっこり顔を出してきたりもする。

なんだかどれも、“ほっこり”とする味だ。
暑い夏には絶対思いつかないけれど、秋になると急に恋しくなる。

そんな、見た目にも秋らしさを感じる栗だが、実は、美容と健康の両面で優秀な食材なのだ。

それだけでも聞くと、「あ、栗買おう」と考えずに爆買いしてしまいそうだが、どのような効果が期待されるのかも知っておかなければならない。

・美容、美肌効果

まず、栗には ビタミンC が意外と多く含まれている。
しかも、加熱しても壊れにくい「デンプンに守られたビタミンC」なようで

シミやくすみを防ぐ、コラーゲン生成を助ける、肌にハリを与える

のような美肌作りの手助けになる。


秋冬の乾燥シーズンにぴったりな「天然の美容おやつ」との異名まで言われることもあるそうだ。

・免疫、疲労回復効果

栗には ビタミンB1、B2、B6 も多く、
糖質をエネルギーに変える働きや、疲労回復を助ける、肌を健やかに保つなどの効果がある。

成分で言うと

カリウム → むくみ防止

鉄分 → 貧血予防

葉酸 → 代謝サポート

など、全体的に「秋バテ・冷え対策」にも良い成分が詰まっているのだ。

・メンタル、リラックス効果

栗のほのかな甘みと香りには、“安心感”を感じる人は一定数いるだろう。私もその1人。

甘栗屋の前を通行していると、何とも言えない温かみのある甘い香りがする!なんていう経験は誰しもがあるはずだ。


結果として、糖質が脳のエネルギー源になることに加えて、
これから身も心も(?)寒くなる季節に、体温をじんわり上げる作用もあるため、精神を落ち着かせる食材と言われているようだ。

「なんとなく落ち着く」「秋になると栗が恋しい」というのは、ただ気分だけではなく、ちゃんと本能として理にかなっていたりするのが納得である。

栗の名産だが、この日本には多くの名産地が存在する。いわゆる和栗である。

同じ栗なように見えて実際は違いがあるのも面白い点だ。

【茨城県笠間市】  笠間栗  日本1の生産量、甘くて大粒。

【京都府丹波地方】  丹波栗  高級ブランド、献上栗。

【長野県小布施町】  小布施栗  香り高く洋菓子に適す

【岐阜県中津川市】  恵那栗/中津川栗  栗きんとんの本場

【愛媛県伊予市中山町】  中山栗  香ばしくて大粒、自然な甘み

【熊本県山鹿市など】  山鹿栗  肉厚で柔らかい、渋皮煮に最適

どこの産地の栗を食べているのかは正直あまり気にしたことがなかったが、意外と明確な差があるようだ。

海外産の栗との風味の違いは

和栗=香ばしく繊細な味わい、秋の“ほっこり”の象徴

中国栗=手軽で甘く、焼き栗や業務用に多い

ヨーロッパ栗=香りが華やかで、洋菓子の主役

と言ったところらしい。全て魅力的だが、国産の和栗を食べたくなってきた。

秋に出る栗商品の市場売上は1シーズンで数百億円と言われている。

額が大きすぎてもはや他人事というか、逆に目玉が飛び出ない金額だ。

そんな、美味しくてみんなに愛される栗だが、美容にも良いのは分かった。

けれど食べる、体内摂取では無く、塗るスキンケアのような体外摂取の話はあまり聞かない。

私が知らないだけなのかもしれないが、数百億規模の市場ならば、栗コスメだってあってもおかしくはないだろう。

秋限定の栗コスメ…なんとも美意識がそそるフレーズだ。

高校時代に英語の授業中、先生の小話で、満月の時にしか作られないスキンケアシリーズがあるとの話を聞いた時には度肝を抜かれた。授業よりも根掘り葉掘り質問攻めをした記憶がある。

満月には神秘的なパワーがある為、なにかの良い微粒子も含まれるとかそのような結末だった気がする。

まぁ、満月は1年中あるのだが、こういう”限定”に作られているスキンケアには、年がら年中売られているものよりも「綺麗になれそう」「効果がありそう」と思うのはなぜだろうか。

購買意欲が信じられないくらい高まってしまうのだ。

その限定が、栗だった場合、何が強みになるのか。

まず、栗の渋皮にはポリフェノールが多く含まれている。(特にエラグ酸・ガロタンニン)

その成分が紫外線や酸化ストレスによる肌老化の進行を抑制する働きが確認されているようだ。

あとはビタミンなりアミノ酸なりで化粧成分としては充分に思える。

結論として、肌に塗っての効果は抽出方法次第では、効果はしっかり得られる可能性がある。

水溶性エキスとして抽出(例:エタノール・BG抽出)すれば
→抗酸化・美白・保湿効果をもつ化粧水・美容液に配合可能。

油溶性エキスとして抽出すれば
→栗の香りを活かしたボディオイル・クリームにも応用できる。


カスタネア クレナータ インナー シェル 100% オリジン ウォーター エッセンス

150ml

基材以外は全てユルピ(Castanea Crenata Inner Shell = クリの渋皮)エキスのみで作られた、毛穴と肌を引き締めつつ、鎮静・保湿するトナー

【成分】水、クリ渋皮エキス、BG、1,2-ヘキサンジオール、ヒアルロン酸Na、エチルヘキシルグリセリン

molvany japan モルバニージャパン 公式サイト内引用

渋の実 栗の渋皮石鹸

100g

クリーミーでキメの細かい泡が、毛穴の奥の黒ずみや臭いの元となる汚れを清浄にし、栗の渋皮エキスがもたらす収れん成分によって肌にハリを与え、毛穴を引き締める毛穴対策&体臭予防石鹸です。配合された保湿成分のオリーブ油、ハチミツ、グリセリン、BG(ブチレングリコール)の働きによって、さっぱりするのにつっぱらない、しっとりすべすべ肌へ導きます。

アットコスメ 公式サイト内引用

Cloon Keen オードパルファム

カスターニャ 焼き栗

75ml

幼い頃訪れたスペイン・アンダルシアの露天でローストされた香ばしい焼き栗の香りの思い出。栗を包むざくざくした金色のカラメルに、ベチバー、カルダモン、ペッパーをまぶし、カッシアとジャスミンが繊細さを添えた。

トップ|カルダモン、レッドペッパー、焼き栗
ボディ|カッシア、ジャスミン
ベース|ベチバー

パフューマー|デルフィン・ティエリー

原産国:アイルランド
成分:変性アルコール、香料、水
本国表記:CASTANA
ブランド:CLOON KEEN(クルーン キーン)

NOSE SHOP 公式サイト内引用


栗は可愛らしいイメージからかやはり化粧品にも使われていたかという感想だ。

しかも香水まであるとは…。あの甘栗屋のような香りが好きな時に楽しめるのは魅力的でもある。

秋になると、香りも、光も、肌のリズムも静かに変わる。

そんな栗の成分は理論的でも、効果は感情的。


今が旬のスキンケアで、自分を抱きしめるような温かささえ生まれそうだ。

そんな栗だが、食べるより、肌で感じるほうが、なんだか大人っぽい気がする。

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