薄めることで、上手くいくこともある

最近、ドラッグストアに行くと、妙に堂々と棚の真ん中に居座っているやつがいる。
名前は 無水エタノール。
最初に見たとき、私は心の中でツッコミを入れずにはいられなかった。
「いや、液体なのに無水ってどういうこと?」
たとえば、
水泳大会に参加するのに「水に濡れません」って言ってるような、
カレー屋さんなのに「カレーはありません」って言ってるような、
そういう感じの矛盾を感じた。
無水なのに液体。
その時点で、この液体はだいぶ変わった人生を歩んでいる。
たぶん小学校の担任の先生に
「あなたは個性的ね〜!」
と褒められて育ったタイプだと思う。
◆無水エタノールの正体
で、調べてみたら、無水エタノールってのは、
エタノールがほぼ100%で、水がほとんど入っていない状態を指すらしい。
この“ほぼ100%”っていう表現がまた気になる。
「ほぼ」ってどのくらいなんだろう。
もし学校のテストなら、100点満点で99.5点。
めちゃくちゃ頭いい。学年トップレベルだ。
なのに、本人は淡々とした顔をしていて、
「まあ…別に普通っすけど?」みたいな空気を出してる。
そういうタイプだ。
で、こいつは 揮発性が高くて、すぐに蒸発する。
塗ったらサーッと消える。
まるで、告白された瞬間に走って逃げていく男子のような、
落ち着きのない存在だ。
◆使い道いろいろ
無水エタノールは、本当にいろんな場所で使われている。
- 掃除(油汚れに強い)
- スマホやパソコンの掃除
- 化粧品の手作り
- アロマスプレー作り
- カビ対策
- 除菌
昔「何にでも使える便利屋さん」みたいな人を見かけたことがあるけど、
無水エタノールはまさにそれだ。
たぶん婚活市場にいたら、応募者の列ができる。

◆コロナ禍でスター選手になった話
あの騒がしいコロナ時代。
アルコールスプレーの棚が見るも無惨にすっからかんになったとき、
無水エタノールは急に国民的アイドルみたいになった。
「無水エタノール売り切れ」
「入荷未定」
「お一人様1本まで」
まるで人気アーティストのライブチケット売り場みたいだった。
SNSでは知らない人同士が
「どこで買えました?」
「○○の店にありました!」
と情報交換して、
転売ヤーはニヤニヤして値段を釣り上げ、
3000円だったのが1万円になったりしていた。
私はその光景を見て、
「いや、あんた昨日まで棚の奥でホコリかぶっとったやないの」
と思った。
人生、ほんと何が起きるかわからない。
◆意外な使い方は香水の救世主
これはあまり知られていないけど、
無水エタノールは 香水のリメイクにも使える。
- もらった香水が好みじゃなかった
- 香りが強すぎて頭痛がする
- もうちょっと爽やかにしたい
そんなときに役立つのだ。
【作り方は驚くほど簡単】
香水 1:無水エタノール 1〜2
好みで調整
たったそれだけ。
振って、寝かせて、完成。
自分だけの香りになったり、
「昔の彼氏が好きだった香りだけど、今のわたしには濃い」
みたいな複雑な感情を抱えている香水も、
無水エタノールがほどよく薄めてくれる。
人間関係もこうやって薄められたらど楽だろうか…。
◆無水エタノールの値段の話
だいたい 1000〜1800円くらい(500ml)。
精製水の感覚だった為か正直最初は
意外とするな という感覚だった。
高い店だと2000円近いけど、
まぁスタバのカスタム盛り盛りフラペチーノくらいだろうか。
仕事量はフラペチーノの何倍もあるが。
たくさん働くのに文句も言わない。
向上心も強い。
人間なら意外とモテモテのタイプだと思う。
◆最後に
無水エタノールは、
派手じゃないけど、
気づくと生活の中で頼りになる存在で、
困ったときにそっと助けてくれる。
掃除もできて、消毒もできて、
香水も生まれ変わらせて、
名前だけで話題にできる。
こんな万能な液体はなかなか無いはず。
まずは試しに、家のどこかで
半分使っていない香水が眠っているなら、
無水エタノールで蘇らせてみてほしい。
「人生には、薄めたほうがうまくいくこともある」
そう思ったら、
なんだか無水エタノールが、近しい。