らしさの更新

最近、「ジェンダーにとらわれない生き方」という言葉をよく耳にする。


よく考えてみると、もうそれが特別な考え方ではなく、“普通”になりつつあるのだ。

昔は「男のくせに美容家?」「女が大工?」なんて言われていた。


でも今なら、きっと「だから何?」で終わるだろう。

戦争の時代には、体力的な理由から男性が前線を担い、それが当たり前だった。


しかし、時代はあっさり変わった。変わらないのは実家のカーテンくらいだ。

考えてみれば、職業というものは、その人の生き方や価値観、時代の空気を最もよく映す鏡かもしれない。

長い間、日本には“男が偉くて女は控えめに”という空気が染みついていた。


畳のにおいみたいに、無意識に当たり前として扱われてきた価値観だ。

ところがここ数年で、まるでファブリーズをかけたように、その空気が一気に軽くなった。


ついに日本でも初の女性総理が誕生した。

「それがどうした」という人もいるかもしれないが、これは十分にすごいことだ。


なぜなら、「リーダー=男性」という固定観念が長く居座っていたからである。

理由を聞かれれば、「昔からそうだから」という、給食のパンが冷たい理由みたいな説明しかできないような話だ。

「ジェンダーレス」と聞くと難しそうだが、本来は
「男らしさ・女らしさに縛られず、自分らしく生きる」という広い概念だ。

例えば、スカートが好きな男の子、ヒゲを伸ばしたい女の子。
それを煙たがる人もいるが、当然ながら犯罪ではないし、迷惑もかからない。

LGBTQ+についても多くの人は漠然とした理解しか持っていない。


「なんかそういう人たちでしょ?」程度の認識は、
カレーを“茶色い食べ物”と言うくらいもったいない。

本当は、豊かで複雑なスパイスが詰まっている。

こうした多様性については、アメリカは日本より一歩先を走っている。

調査によると、アメリカではLGBTQ+の人たちは
サービス業(15%)や医療・ホスピタリティ分野で比較的多く働いていると言われる。

また、教育や非営利、公的セクターにも多く進出している。
そして、STEM(科学・技術・工学・数学)分野でも
「性的指向や性自認によって能力や成果に差はない」という研究結果が報告されている。

しかし、そこには課題もあり、
必ずしも「好んでその職業を選んでいる」のではなく、
差別や偏見のために職業選択の幅が狭まるケースもある

働きやすい職場とは、
「オープンにできること」「差別・ハラスメントがないこと」が大きく関係するということなのだろう。


LGBTQ+

Lesbian(レズビアン) 同性愛の女性

女性を恋愛や性的対象として好きになる女性。

Gay(ゲイ) 同性愛の男性

男性を恋愛や性的対象として好きになる男性。広義では同性愛者全般を指す場合もあり。

Bisexual(バイセクシュアル) 両性愛者

男性、女性の両方を好きになる人。恋愛感情や性的魅力を感じる相手が性別に限定されない。

Transgender(トランスジェンダー) 性自認と身体の性が異なる人

生まれたときに割り当てられた性別とは異なる性別で生きる人。例:生まれは男性だが心は女性など。

Queer(クィア) 又は Questioning(クエスチョニング)

性的マイノリティ全体を包括する言葉。または「自分の性について考え中」の人。

+plus(プラス) その他の多様な性

上記以外のアイデンティティを持つ人々を含む。(例:アセクシュアル、パンセクシュアル、ノンバイナリーなど)

よく使われるその他の関連用語

Asexual(アセクシュアル) 無性愛者 

性的な欲求や関心をあまり/まったく持たない人

Pansexual(パンセクシュアル) 全性愛者

性別に関係なく人を好きになる人

Nonbinary(ノンバイナリー)

男性/女性という二元的な性のどちらにも当てはまらない人

海外ドラマ セックスアンドザシティ新シーズン チェ・ディアス もノンバイナリー

Gender fluid(ジェンダーフルイド)

状況や時期によって性自認が変化する人


結局のところ、人は肩書きでも性別でもなく、一人の個として存在している。

外側のイメージや世間の思い込みだけでは、その人の価値は測れない。

これから必要なのは、
「あなたは男?女?」ではなく
「あなたはどんな人?」と問える社会だ。

多様性とは特別扱いや線引きではなく、
ただ「みんな違って、みんな普通」という当たり前を認めること。

誰かの生き方を笑うのではなく、尊重できる人でありたい。
それが、“やさしい社会”の本当の姿なのだと思う。

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