枕で幸せを掴む

我が家の洗濯機はドラム式で、乾燥機もついている。

大きいタイプを奮発して買ったおかげで、寝具でさえも、結構定期的に洗っている。

もちろんその際は、枕も当たり前のように洗う。”洗える枕”が絶対条件なのだ。

洗濯が終わって、乾燥機から取り出したときの、あのホカホカの枕を抱きしめる瞬間。

あ~幸せ~と思うのも束の間、次の瞬間、「あー今回はダメだったか」と思うときがある。

乾燥機にかけて、仕上がりが満足のいく枕になる確率は50%。

ダメだったかの場合は悲惨で、中綿が片側に固まって、カチカチの塊になっている。

そうなるとまるで、殿様の枕みたいにやたら高い部分ができて、しっかり首を痛めるし、悪夢を見るレベルで寝心地が悪い。

ただ、また洗い直すのも電気代が勿体なくて、結局「まぁいいや」とベッドにドサッと置いて寝ることになる。

そして、やっぱり「相棒にはなれないなぁ」と枕に文句を言うのだ。

上手に仕上がると20時間は立て続けに爆睡できるような枕なだけに、惜しい。

一体、人生の伴侶レベルの枕にはいつ出会えるのだろうか。と思いつつも、最近は、ダメな方のカチカチの枕に頭を乗せている。

私は昔から、寝るときの“枕の向き”には割とこだわりがある。

と言っても、毎晩コンパス片手に真剣な顔しているわけではない。

なんとなく「北枕は嫌だな〜」という、漠然とした感覚だ。

「北枕は縁起が悪い」とか、「東枕は若返る」とか、昔から伝えられてきた“寝る方角風水”みたいなのって、一度取り入れると、ずっと気になってしょうがないのだ。

ただ、最近ふと気づいてしまった。


この風水とやらは、年々アップデートされている、スマホのOS並みに更新しているように。

例えば、恵方巻きの食べる方向、東西南北の4方向で決められていたものが「南東」だの「南南東」だのいつの間にか増えている。

四方八方超えて十六方だ。

そのうち、”南南東西の北向き”のような細分化に拍車がかかれば、寝返りをうつだけで運気がガラッと変わってしまう。

頭を器具で固定して寝るわけにもいかない。

でもツイてない日は、「寝返りのせいだ!」って思う事にすれば気持ちは楽になるかもしれない。

そんな私は、今現在、南枕で寝ている。

「南を頭にしないと!」なんて思ってしているわけではない。

間取りや家具の配置のせいで、ベストなベッドの位置がたまたま南枕になっている。

こだわりがあるんじゃなかったのか?となるのは承知の上だ。

ただ、こればかりはどうにもならないので受け入れるしかないのである。

実際、本心をいうと、北枕に興味がある。

なぜ、不吉とされている、北枕に興味があるのかが、気になるところであろう。

説明を見れば納得するはずだ。「なんだよ~もっと早く言えよ~」なんて思う人も出てくるかもしれない。

今現在の風水の情報を基に説明していく。

・北枕

健康運、金運、子宝運、恋愛運の向上に効果的とされ、気の流れが良くなることで運気が高まると考えられている。安眠、健康運アップ。陰の気が強く、落ち着きたい人向け。全体的な運気を上げたい人、健康を気にしている人向け。

全体運が良いほうに上がるなんて嘘みたいな話である。

ただ人間の欲求、睡眠欲を満たす際に、少し頭の位置さえ気を付けれるだけで、全てがプラスに動くかもしれないなんて。

科学的根拠が無いのは分かっているが、もうお参りみたいなもんだ。

信じる者は救われるという気持ちで取り入れたところで、寝る際の頭の位置に関しては誰にも迷惑をかけないはずだ。

今まで北枕が良くないと言われていたにも関わらず、なぜ急に良い方向になってしまったのか?

そりゃ風水もアップデートしているのは理解できるが、真逆はやりすぎではないだろうか。

少し深掘りしてみよう。

そもそもなぜ北枕が悪いと言われていたか。

日本では、ご遺体を頭を北に向けて寝かせる(安置する)という風習があるが

これはお釈迦様が亡くなったとき、頭を北・顔を西に向けて横たわったことが由来なのである。

つまり「北枕=死者の寝方」=縁起が悪いとされた、というわけだったのだ。

では、なぜ今になって北枕が良いと言われるようになったのか?

ー陰の気ー

風水では、北は冷たくて静かな「陰の気」が強いとされているようだ。

寝室にはこの「陰の気」が適しており、心身を落ち着かせ、深い眠りに導くと考えられている。

さらに、「気(エネルギー)は北から南へ流れる」とされるため、頭を北に、足を南にすることで、自然の流れに逆らわず、エネルギーをうまく取り込めるという解釈があるらしい。

ちなみに科学的観点でいうと、地球の磁場(磁力線)は北から南へ流れている。

これに合わせて寝ると、体の生体磁気と調和して血流や睡眠の質が良くなるという説もあるようだ。(あくまでも一説)

ー時代においての価値観ー

昔は「死者と同じ=不吉」と避けられた北枕だが、現代では「健康運・安眠」につながる良い方角として見直されている。


これは風水が「その時代の人々の心や生活」に合わせて、常に進化している文化である証でもあるわけだ。

今を生きる私は、まんまと北枕欲に取り憑かれてしまったようだ。

他の方角はどういう効果があるのだろうか。

・東枕

仕事運、勉強運、行動力を高めたい場合にオススメ。若さ、発展、仕事運。元気に目覚めたい人向け。新しいことを始めたい人、やる気をアップさせたい人に。

・西枕

商売運、金運の向上が期待でき、貯蓄に繋がるといわれている。上司運、出世運。社会的な信頼を得たい人におすすめ。落ち着いた生活を送りたい人、安定を求める人に。

・南枕

人気運や才能、創造力を高めるとされるが、エネルギーが強すぎるため、安眠にはあまり向かないとされてる。人気運、直感力、美容に効果あり。太陽光が強すぎて眠りが浅くなることも。人間関係を良好にしたい人に。

今寝ている方角の南枕は”強すぎる”ばかり書いてある。確かに人間関係は良好に越したことはないが、

ただ、ここ数年、眠りが浅いのは間違っていない。

もともと質の悪い睡眠をとっているタイプなだけなのかもしれないが、睡眠欲は他人よりも欲深い自覚はある為、眠りが浅くなるのは嫌だ。(切実)

もっと細分化するとこうだ。

・北東

転機、変化の方位。引越し・転職と相性が良いが、不安定な気も有り。

・北西

リーダー運、権威、決断力。責任ある立場を目指す人に。 間違っても独裁者にはなってほしくない。

・南東

良縁、商売繁盛。社交的な活動に向いている。良い人間関係を築きたい人に。

・南西

主婦運、家庭運。女性の運気に影響が強い。家族関係を安定させたい人。

さらに、

・北北東

勉強運、成長運。努力が報われやすい方向。

・北北西

仕事でのサポート運。努力を認めてもらいやすい。

・東北東

家族運に関係。親子関係や兄弟との縁が深まる。

・東南東

家族運に関係。親子関係や兄弟との縁が深まる。

・西北西

上司運、出世運。社会的な信頼を得たい人におすすめ。

・西南西

友人運、支援運。人に助けられることが増える。

・南南東

モテ運、魅力アップ。恵方巻でもおなじみのラッキー方位。

・南南西

家庭運、安定。穏やかな毎日を送りたい人に。

言ってしまえば、悪い方角なんて1つも無いように思える。

北のみ、若干他の方角よりも1歩先を歩いている気もするが、ほぼ悪いことは書いていない。

まぁ、そりゃそうだろう。寝る方角でバッドな人生を送るなんてたまったもんじゃないからだ。

ただ、こういう風水とやらは、おそらく今年の流行色のように、販促などではなく、

過去にこの方角で寝ていた人の人生はこのようだった、的な感じの統計学のようなものだと思う。

上手く取り入れることで、明るく前向きな気持ちになれるのであれば、お気に入りの方角を見つけて実践してみるのも悪くない。

頭の向き変えるだけなら無料なのだから。

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